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デスク記事

2011/06/01

 東日本大震災に続いて4月下旬から5月下旬にかけて、アメリカのアラバマ州など南部、ミズリー州など中西部を中心に、巨大竜巻が発生し、多くの死者・行方不明者を出している。オバマ大統領は「カトリーナ(2005年のハリケーン)以来の自然災害」と、復興に強い意欲を示している▼エジプト、リビア、バーレーン、チュニジアなど中東諸国の政変、内乱など、世界のあちらこちらで国の体制が揺らぎ、人心は乱れている。自然災害と、人間が作った施設・原発、そして人間そのものが争い、国民が、国家間が危うくなっている。「人心乱れるところに災害あり」と言われるように、危機は世界中に訪れている▼30日、南部のニューオリンズから帰国した友人がこんなことを語ってくれた。「着いた日に竜巻に遭遇し、ミシシッピー川は氾濫寸前。イヤー、恐ろしい目に遭いましたよ。空路は乱れ、帰国の日になっても飛行機の都合がつかず、一日遅れの帰国でした。日本で東日本大震災が起こり、その直後のアメリカでの災害。日本の前はニュージーランドの大地震など、地球そのものが不安定になっていますね」と▼中東情勢も、タイ、北朝鮮と韓国などアジア各国の情勢も日替わりに変化し、安定しない。肝心の日本も、災害後の復興も原発自己の収束も道のりは遠い。菅内閣は野党はおろか、民主党内部からも離反され、政府の震災対応がまったく進まない。最も必要な時に政治は空回り。その間に危機はさらに深まってゆく。人心、国家体制が安定しなければ再度の災害が起きそうな気がして、背筋が寒くなる。