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東日本大震災への対応を中心に、菅政権に対する内閣不信任決議案が出され、その採決が2日行われた。結果は否決され、菅内閣がしばらく続くことになった。採決の結果を云々する気はないが、採決に至る半日間の動きは、まさに国民を度外視した、政治家による政略そのもの。「政治家による、政治家のための、哲学なき、ご都合主義の行動」と断じざるを得ない▼投票直前まで決議案に賛成の意志を持ち、同僚議員に同調するよう呼びかけていた(多数派工作)中心議員が、投票直前になって決議案に反対する側に廻った。熟慮の末、賛成投票を決意したはずの小沢、鳩山両議員。小沢氏は欠席し、鳩山氏は決議案に反対票を投じた。それまでは衆院本会議で不信任案が可決されるか否決されるか、票数は接近する情勢だった。それが291対152、欠席31という、圧倒的票差で菅内閣への不信任決議案は否決された▼政治家の決断とは、かくも軽く、自己本位で、場当たり的なのか、今回良く分かった。この国難に直面した今、最も力を発揮し、日本を復興させるべき最高責任者達が、実は第一番に大切に思ったことが、自己保身だったということだ▼菅総理が「一定のメドがつけば、若い者に…」と、やがての辞任を示したのが、急転直下の変化につながったという。闇で何が語られ、どんな取引が成されたのか。延命のためなら何でもあり│の菅政権。「菅総理の下では災害復興は進まない。即刻退陣を」と声高に叫んでいた与野党議員。今後の復興審議はさらに混乱を極め、被災者は最大の犠牲者になってゆく。