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「ようこそ、市民こぞって大歓迎致します」「感謝の心をおもてなしにかえて」│など、特に観光地では看板に書かれた、そんな文言を目にする。歓迎の言葉に出会うことは、訪れる者にとって心地良いもの。旅の実感が湧いてくる。ところが、いざお土産屋さんに入っても、食事をとろうとレストランに入っても、そんな嬉しい言葉とは裏腹に看板倒れ≠フ対応をされることが結構ある▼店員さんはつっけんどん、笑顔もなく、明るさもない。こんな時このマチには一体感がないな≠ニ思ってしまう。ひとつの事で全体を判断するのは早計とは思うが、旅は喜び探し。その意味では期待を裏切られ、心が沈む▼家族で滝上の「渓谷ホテル」のレストランに寄った。芝桜が満開で、観光客がたくさん訪れていた。美しい色彩に囲まれ、香りを楽しみながら食事をするのは、とても幸せなことである。さらに嬉しかったのはスタッフの丁寧(ていねい)さ。好感度抜群である▼5月3日から6月5日までの土、日曜日は「芝桜バイキング」。1200円だが、65歳以上のシルバー料金800円という心遣いも嬉しい。笑顔いっぱいのスタッフ。入口では客に明るく声をかけ「どうぞごゆっくり」と歓迎。美しい芝桜と客を歓迎する気持がピッタリ▼札幌からの帰り、夕食のため再度寄った。男女のスタッフは相変わらずの笑顔、そして会話。自然に楽しくなってくる。そして驚いた。食事を終え、去ってゆく客の背に、スタッフが静かに頭を下げていたのだ。客には見えない。しかし、スタッフの心は間違いなく伝わったと思う。