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デスク記事

2011/06/09

 テレビも新聞も、3月11日の東日本大震災以来、震災、福島第一原発関連の報道で埋め尽くされている。確かに日本始まって以来の未曾有の災害。人々の関心がここに集るのは当然だ。しかし、日本は、あらゆる面で世界に影響を及ぼし、貢献すべき立場にある。苦境の中にあっても、世界を広い視界に収め、人類の悲願である平和、環境保全、食糧・水不足の課題に貢献する使命がある▼その中心に在るのが政治だ。それが揺らぎっ放しで、まったく頼りにならない。国民誰もが政治家の質の悪さに顔をしかめている。しかし、それでも力を発揮しなければならないのが政治なのだ。目をそむける事なく、しっかり見続けることが必要だ▼政治は今、大連立の方向だが、政治の課題は大震災と原発事故だけではない。そこにだけ目が行き、国外、国内に数ある課題がなおざりになれば、日本はさらに信用を失い、沈んでゆく。長期的展望に立てば、震災復興、原発の収束のためだけの大連立であってはならない▼呉越同舟という言葉がある。反目し合いながら同じ船に乗っていても、スムーズな舵取りは出来ない。途中で横波を受けるか、船頭同士で方向を間違えて座礁するかで、被災地復興の入り口にも立てない懸念がある▼震災、原発問題には心を一つにして、その他では政党間、政治家としての主張をし、議会制民主主義の王道を歩んでもらいたい。現段階では、せいぜい閣外協力程度ではないか。そして来るべき時に、ガチンコ勝負の総選挙を実施する。それが世界の中の日本の道ではないだろうか。