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横綱・白鵬は滝川市の観光大使。このほど同市が製作協力した童話「ハイル」が出版された。ハイルとはモンゴル語で「愛」という意味。滝川市が白鵬に寄贈した一頭の羊の名前を全国に公募し、その中からハイルと決まった。採用したのは白鵬だった▼親を失いひとりぼっちになった子羊が、ミツバチ・ブンと仲良くなり、友情を育て、やがて母親になった時、そのミツバチの大勢の仲間に小羊が助けられるというお話。困難に打ち勝つ友情の強さ、優しさ、約束を守ることの大切さが文章にあふれている▼文章は、札幌幼稚園で副園長を経たあと、インドネシアの日本語語学校幼稚園の園長として4年間活動した、森本壽子さん。現在は茨城県ひたちなか市で幼児教育に携わっている。森本さんと友人の滝川市の観光コーディネーター・出村さんとの縁で、この童話が生まれた▼このほど、出版を兼ねた会合が滝川市で開かれた。白鵬は絵本の中でこう語っている。「私は志を抱いて15歳で相撲界に入りあきらめない≠心に試練の連続を乗り越えてきました。今回絵本が出版されてとても嬉しい。信じる心、あきらめない心≠持ってください。震災の時、私の心の魂が叫んだことはあきらめない心≠ナした」▼白鵬は、故郷・モンゴルに日本のおいしい米を普及させたいという。そして今年、田植えが行われ、秋には収穫される予定。米の名前はもちろん「白鵬米」。人と人の繋(つな)がりは見えない鎖(くさり)のようなもの。白鵬に贈られた羊は今、滝川の新山さんという羊農家で大切に育てられている。