デスク記事
正面から走ってくる車が、突然貴方の車線に入ってきて衝突しそうになったらどうしますか」。免許証更新時講習を受けたとき、教官から問われた。私は、「衝突を避けるため咄嗟にハンドルを右に切る」と答えた。すると教官は「それは間違い。相手が車線を元に戻し貴方の車と衝突したら、今度は貴方が加害者になりますよ。そんな時は道路左側に止まると良いでしょう」▼3日早朝、中富良野の国道を3人のお孫さんを乗せて走っていた方の車に、前方から来たトラックが、急に車線に入ってきて正面衝突。運転していた64歳の方がお孫さん3人と共に死亡した。おじいちゃんの家で夏休みを楽しんでいた、仙台からのお孫さん。東日本大震災の時も、避難のため1ヶ月滞在していた▼状況は、私が更新時講習で質問された事と同じだ。ゆるい左カーブを、突然自分に向かって来る大きなトラック。当然予期せぬ事態。咄嗟の判断をする間もなく衝突されたのだろう。相手は居眠りだった。それなら左に寄っていても、結果的には同じだ▼避けようにも避けられない事故のような気がする。このような状況は、一般道路なら常に起きていること。前から来る車が自分に突っ込んで来ることなど、想定したらとても運転など出来ない。しかし、それがいつ起きるか分からない▼誰もが常に危険を背負って運転していることを、再認識させられた。自分がきちんとした運転をしていても、いつ最悪の結果が待っているか分からない。もっと言えば、運転は命がけの危険な賭(かけ)とも言える。