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デスク記事

2011/08/17

 「トロイカ体制」とは、3人の指導者で組織を運営する体制のこと。もともとはロシア語だ。スターリンの死後、権力が書記長一人に集中する危険を避けるため、権力を3人で分け合うという考え方。しかしロシアのような共産主義国家では、一党が国家を支配する構図となり、一人の権力が突出する傾向にある▼辞任が近い菅総理は、最近こう言っている。「俺の時代でトロイカは終わらせる」と。つまり、菅首相、鳩山前首相、小沢元代表が、民主党結党以来、事実上党を運営し、3人の周辺にその他大勢の党員が、思惑がらみでくっついてきた。この形を終わらせるとの発言だ。議員バッジをつけている人はたくさん居ても、毒にはなるが薬にならない議員が居るのも実情だ▼「俺の時代で終わらせる」などと、何かを決心したような言葉は必要ない。終わらせる≠フではなく、既に終わっている≠フだ。少なくとも、国家のトップの総理が、これ程までに他党からはもとより、自分の側近からも無茶苦茶に言われたケースは歴史上にもなかった。最後まで、空気も読めず何も理解できない総理で終わりそうだ▼「大連立」という言葉が急浮上してきた。国民的には「危急存亡の時、とりあえず挙国一致でやってほしい」という気持だろう。しかし大連立は歓迎できない。民主、自民、それに公明の3党が、次の総選挙等に向けて個々別々の動きをする。とても「世界の中の日本」をデザインするような、そんなあるべき連立には成り得ないからだ。国民にとってイライラが増幅する日々となるだろう。