デスク記事
幼い子供を連れた母親が2組。その間に中学生の娘さんと一緒の父親。その3家族が市内のレストランで食事をしていた。父親がタバコを吸い始めた。1本、2本、そして3本目に火を付けようとしたとき点けようとした時、その娘さんが厳しい口調で言った。「お父さん、2本目までは仕方ないと思っていたけれど、3本目は止めなさい。周囲に、こんなに幼い子が居るんだよ」▼その父親は急いでタバコの火をもみ消し「そうだなあ、お父さんが悪かった。謝るよ」と娘さんに、そして周囲に頭を下げた。口には出せなかったが、両脇に居たお母さんたちは「食事時のタバコは、止めて欲しい」と心で思い、その人に少し嫌悪感を抱いていた▼しかし父親に注意する少女の言葉は、母親の気持ちを代弁するものだった。そして素直に謝る父親の様子を見て、今までの気持ちはどこかに消えた。爽やかな空気が流れ、食事は楽しいものになったと言う(幼児を持つ母親に聞いた話)▼愛煙家にとっては、随分肩身の狭い時代になった。空港や駅など、公共の場での喫煙は厳しく禁止されている。狭い喫煙所で、肩を寄せ合って喫煙している姿は、気の毒でもある。また、条例を定め路上喫煙を禁止している地域もあり、違反者には罰金が科せられるという厳しさだ▼受動喫煙(他の人のタバコの煙を吸う)による健康被害は、吸わない人にとっては迷惑な話。しかし喫煙者がマナーを守り、周囲に気を配る気持さえあれば、両者の間のギスギスした空気はもっと和らいだものになるだろう。