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新しい民主党の代表に野田佳彦氏が当選したことを、素直に喜びたい。29日に行われた代表選。小沢、鳩山両氏の支援を得て基礎票で圧倒していた海江田氏を、野田氏が決選投票で逆転勝利。今まで鳩山、菅、そして陰の主役・小沢の三氏が事上民主党を掌握していた。この陰湿な民主党から、ようやく新生民主党へと脱皮する空気を感じさせる▼この選挙。5人が立候補したことに、野田氏の勝利の要因があった。5人がそれぞれ自身の票を懸命に固めたため、一回目の投票では海江田氏が過半数を取れなかった。そして上位の海江田と野田氏の決選投票。この時点で野田氏の勝利がほぼ確定した。つまり、前原、鹿野両陣営の票と、馬淵氏陣営の票の一部が野田氏に集中した。前原、鹿野両陣営は、決選投票になったら野田氏に投票するよう、事前に決めていたのだ▼永禄3年の桶狭間の戦いで、圧倒的な兵力を持つ今川義元を、少ない兵力の織田信長が作戦を駆使して勝利した史実を思い出す。野田、前原両氏が事前に小沢、鳩山連合に打ち勝つ作戦を立て、今回の選挙で勝利した▼野田氏は次の総理大臣である。願わくば、長期政権になって欲しい。小沢、鳩山両氏が反逆に出れば、民主党は国民から見捨てられるだろう。彼らが主役に立つ時は、遠い昔に過ぎているのだ▼自民党も大人になることだ。政党である以上、野党としての対立軸を作るのは当然だが、今の日本を危機から脱出させるため、国政を停滞させる行動をとるべきでない。そして、震災復興と世界から信用される確固たる政治を行ってほしい。是非とも。