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デスク記事

2011/10/16

 「私が出来ること、それはピアノで皆様に元気をつけること」。本紙に投稿している、ロサンゼルス在住のピアニスト・上野淳子ギャレットさんから、夏、東日本大震災の被災地で小さな演奏会を開きたい≠ニ連絡があった。彼女は全米、南米、ヨーロッパなどで幅広く演奏活動をして居り「マイルを使いますので、全て私のボランティアで」と▼私は、震災2ヶ月後に現地の方々のお世話で取材させてもらったので、現地の方々に上野さんの希望を伝えた。大いに喜ばれ「大槌町の中学校で開いて欲しい。仮校舎にピアノも入ったし」とのこと。学校関係者なども「子供達に、今必要なこと」とスケジュールを調整してくれた▼演奏会が実現することになり、上野さんはロザンゼルスの音楽関係者などに呼びかけ、中学校に飾る手作りの記念品の製作に取りかかった。また、義援金の呼びかけもしている。「何か役に立つことを」と、周辺の人たちも積極的に応援してくれていると言う▼上野さんに尋ねると、この震災で上野さんの知る英語教師が2人、亡くなっているという。そのため、周辺からカリフォルニア大学の学生などが、震災ボランティアとして東北地方に入り、活動を続けたそうだ▼今回の震災で、日本は世界中から温かい心と支援を受けている。知らない人たちが、知らないところで無数の人間の輪となってが広がり、被災地へのメッセージとなっている。7ヶ月が過ぎ、被災地にも笑顔が広がって来たという。嬉しいことだ。ピアノ演奏会は11月18日の午後、開かれる。