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「笑う門には福来る」という諺(ことわざ)がある。一家そろってにこやかな家庭には、幸せが訪れる≠ニいう意味。家庭だけでなく学校で、職場で、各種会合で、笑顔が多い時は空気も柔らかく、対人関係もうまく行っている場合が多い▼「日本笑い学会」という珍しい学会≠ェあるという。そこの講師である野口さんは「笑いは免疫力を高める」と全国を回り、笑いの大切さを伝えている。「人が老いるのは歳をとったからではなく、希望や理想を失うから」と言う。ご高齢でも、かなり若々しく見える人は結構多い。そんな人に共通しているのは、心が明るいことであり、何に対してでも興味を持つということである▼野口さんは更に言う。「笑いは身体の免疫を高める。笑うときは腹式呼吸をしていて、身体の細胞を震わせ、脳を刺激し、ストレスも発散できます。落ち込んでいる時、心が晴れない時は無理にでも笑って前向きな気持になること」と▼今の日本、不況、自然災害、経済・産業の落ち込みなど、人々の心が圧迫され、笑顔になれる時が少ない。そんな時だからこそ、社会全体に笑顔が広がって欲しい。笑顔になるために、心に少しのユトリを持ち、好奇心を持つことも大切なようだ▼第二次世界大戦中、ナチスの強制収容所で15歳でチフスで死亡したアンネ・フランクは、こんな言葉を残した。「こんな薬を10錠飲むよりも、心から笑ったほうがずっと効果があるはず」と。東日本大震災の被災者は今「笑顔を作ろうよ」を合い言葉にしているそうだ。