デスク記事
今の日本を象徴するような選挙結果だった。無党派層が既成政党を蹴散らし、民衆は「現状」より「改革」を支持した。大阪市長、知事選挙は「大阪維新の会」が完勝。「大阪都」の実現に突っ走ることになった▼若者を始め、今まで政治に関心が薄かった人達を投票場に向かわせたものは何だったのか。今までの投票率の低さは、政治に無関心だったのではなく、政治に振り向かせる*」力がなかったためだ。大阪に限らず、多くの国民は、近年の政治の体たらくに愛想を尽かし、その視線は冷ややかだった。「どの政党にも、どの政治家にも、期待するものは何もない」が一般化。その結果政治、政党離れを起こしているのだ▼しかし今回の大阪市長、知事選挙は違った。大阪維新の会の「大阪を変えるのか変えないのか」という問いかけは分かりやすくて、強烈。無感動な昨今の政治とは異質の、新鮮味を有権者に感じさせた。「大阪維新の会」という小さな地方の政党が、国内に網を張った巨大な既成政党、その連合組織体を完全に打ち破ったのだ▼多くの国民は、それを「爽快」と感じているだろう。国民は現状を脱する新しい息吹を求めている。テンポの遅い、国民不在の今の政治。成すべきことを先送りにし、国民に負担を求めている。順序が違うから国民は納得しないのだ。既成政党間に波が立っている。今まで政治哲学を語っていた議員グループが、維新の会へ「スリ寄る」恥さらし振り。コップの中で権力争いを続ける政治に、強烈な風穴を開けたのが今回のダブル選挙。政党は、早くもその渦に巻き込まれた。