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デスク記事

2012/01/14

 「寒いですねえ」「今年は雪が多いねえ」が挨拶(あいさつ)言葉になっている。確かに、ここ数日は寒い日が続き、雪も道路脇に高々と積み上げられている。そうではあっても、この寒さと雪の多さは一方では歓迎される側面も持っているようだ▼地球の環境悪化、温暖化現象は世界各地で顕著に現れ、ここオホーツクでも感じ取ることが出来る。例えば、かつて5月まで居座った流氷が、近年では接岸日数が極端に少なくなり、流氷観光にも陰(かげ)りが見えている▼「数十年前は、雪が屋根の高さまで積もったし、紋別高校前の道路で車が立ち往生し、翌日は埋もれた車の上を、歩いたもんだ」「寒さはこんなものでなかった。マイナス30度くらいのときもあったし、氷点下20度くらいなら普通だった」と言う年輩者は多い▼姉妹都市・フェアバンクスから紋別のシンポジウムに参加したケリー博士(アラスカ大学)は、その日は紋別市民にとってはとても寒い日だったが「春のような気温」と、半袖で会議に出ていた。そのアラスカも、今年はとても暖かい日が続いているという▼そんなことを考える時、このところの寒さ、積雪の多さは「冬なんだから、こんな日があっても良い」と思ってしまう。暖かい日ばかりだと「温暖化の現れ?気持ち悪い」という会話になり、人は温かくても寒くても、少し日常と異なれば、そこに神経を尖らす▼「オホーツクの冬とは」「冬の平均的な雪の量は…、気温は…」と考えれば、一過性の寒さ、積雪はたいした問題ではない。かえって、そういう冬らしい%を歓迎したいものだ。