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紋別が猛吹雪にあい、雪に埋もれて交通も遮断された数十年前の光景が、岩見沢にあった。否、それ以上の圧倒的な雪が住宅地を埋め尽くしていた。29日、札幌に行く途中岩見沢に寄ったが、テレビの画像で見るより現実はもっと厳しく災害≠ニいう印象だ▼大雪がやんで数日経っていたが、幹線道路以外は除排雪が進まず、特に住宅地の道路は車が入れないくらい雪が積もっていて、住民は玄関先に道をつけるのがやっと。車が埋もれたままだったり、分厚い雪が2階から地上までつながっていたり、大雪の後遺症はまだ癒(い)えていない▼50年以上前の紋別の冬は、これに近かった。朝、時計はかなり回っているのにいつもより暗い。不思議に思ってカーテンを開けると、窓全面が雪で覆われ、明りが入って来ない。雪に穴を開け、ようやく外へ出ると、家全体が雪に覆われていた▼当時は重機による除雪は行われてなく、道路はいつもより2メートル程も高くなっていた。道の両側は山のように高くなり、私たち子どもはスキーを楽しんだりしたものだ。棒の先に竹で扇状に編んだ除雪道具が、殆んどの家庭に備えられたいた▼冬が過ぎ春が来ると雪解け水が路上にあふれ、低い場所の家に激しく流入してきた。床上浸水する家庭も多く、雪解け水の処理を隣近所と話し合いながら行う習慣がついていた。外で転べば全身ズブ濡れ。道路にワダチ≠ェ出来、交通事故の大きな原因になっていた。しかし現在は除排雪が行き届き、きれいな道路が保たれている。隔世の感があるが、それに慣れると、次の不満が出てくるのが人の常。絶えない雪との戦い。