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デスク記事

2012/02/15

 何も決まらない日本。何も決められない政府。風雲急を告げる国際情勢に、日本は果たして対応出来ているのか。多くの識者は「ノー」を突きつける。国民の目からも、そう見える。昨年の東日本大震災以降、原発災害も含め、日本は戦後最大の危機に陥っている。そしてそれは政治災害≠ェ主たる原因であることが情けない▼日本列島周辺の地殻変動が起こり始め、さらなる巨大地震、津波が予測されている。世界も、中東国家のクーデター、経済崩壊と激震が走り、日本は震災のほかに政治にも地殻変動が起きている。アジアの安全保障も、膨張する中国の軍事で不安なものになっている。内外に、これ程多くの難題を抱えたことは、今までになかった▼そんな時こそ、政治の安定が求められる。しかし相変わらず、自分たちの小さな世界でしか動けない国政を見るにつけ、信じられない程の危機意識の欠如が見られる。政治家のみならず、一方の国家運営の中枢である官僚の無責任さも、浮き彫りになっている▼世界に誇る「百年大丈夫」な年金制度はすでに崩壊し、国の借金も1千兆円間近だ。頭の良い官僚≠ェ招いた国家財政破綻への道である。何故そうなったのか。分かっていながら自己保身、人気取りのために現状維持、ツケの後回しを行い、その場しのぎを続けてきたからだ▼日本は今こそ、政治も国民も、足場は悪いけれど、次へのステップを踏み出すために、心を一つにする時だ。それが出来ることを、今回の震災で東北地方の被災者、日本人は「絆」で証明した。大きな絆こそ、最後の手段と思われる。