デスク記事
「食べる」ことは、人間にとって生命維持と、もうひとつ食べる楽しみの面がある。毎日の食事でも「どんな料理かな」とテーブルにつくし、旅行など気分がリラックスした時などは、食べる楽しみは旅行の主たる目的にもなる▼ところが、食べることを楽しめなくなる「摂食障害」が急増しているという。つまり「拒食症」「過食症」である。厚生労働省の調べでは、20年ほど前から急激に増え始め、それまで10万人に対し5人程だったものが20人近くになっている▼過度のダイエットなどで、食べられなくなる「拒食症」。多量の食物をムチャ食いする「過食症」。これを克服するため薬物療法や心理療法などを行って、元の自分に戻ろうと努力している人も多いという▼しかし、内乱や貧困のため、食料難にあえぎ、一日一杯のミルクさえ得ることが出来ない人たちが増えているのも現実だ。水、食料が地球上から極端に不足し、今後餓死者は急増するだろう▼先日、シカゴのレストランでサラダを注文した。4人分くらいの量が出てきた。「アメリカ人は、これが普通ですか?」と聞くと「イヤ、量は多いです。この他にメインディッシュですから。食べ残すのが殆どです」と言う▼それを承知でテーブルに並べられる料理。無駄に投棄される食べ物がどれだけ多いか、想像するだけで心が暗くなる。食べ物が有り余っている国。多く出すのが習慣になっている状況。日本も例外ではない。食を拒否したり、過食したり、無駄を承知で食が提供される。生きるため食を求めても口に出来ない人たち。その差は極端過ぎる。