デスク記事
内政も外交も、今の日本の政治は戦後最低の評価がつけられるだろう。国民の多くは「政治家は自分たちの陣取り合戦で頭がいっぱい。大切なことは、そっちのけ」と言う。日本は戦後最大の危機を迎えている。短期的、長期的な課題が山積だが、政治はそこに手が届かない。自分たちの立ち位置探しに血眼(ちまなこ)になっているからだ▼消費税をめぐって与党が事実上の分裂。各人が自分を浮上させようと画策した結果という低レベル。国民新党の内紛で、昨日までの同志をゴミ′トばわり。自民党は小沢抜きなら協力≠ニ言う。国民の生活を左右させる問題が、一政治家への怨念にすり替えられる。何たる軽さか▼民主・与党は内部をまとめる能力が無く、造反組はその機に乗じて次の足場を築こうとし我こそ正義≠ニ「憂国の士」を演じる。国難の時こそ、大儀のもとに力を結集すべきところ、国難を利用して自己保身を企てている。こんな政治家に日本の舵取りをまかせることは出来ない▼震災復興、原発事故への長期的な対応、エネルギーの確保、医療、年金などを含む社会福祉政策、景気対策、中・韓・露との領土問題、国土の安全課題、普天間基地移設、TPP問題、消費増税関連法案の行方…等々、抱えている課題はいずれも過去最大だ▼結果的に政局に振り回され、または振り回し、成すべき課題に対応していない政治は、日本の現在・未来を危うくする元凶である。今こそ日本の未来に希望の明りを灯すべき政治が、何も出来ず右往左往の状態。それでもなお、政治に日本を託さなければならない情けなさ。