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「神の領域」と言われる原子力発電所の再稼働について「安全かどうか」の論議が延々と続いている。国は大飯原発について安全≠ニ認め、再稼働の方針。これに対して「安全が実証されたのかどうか」など強い反対意見が出ている▼そんな時、敦賀原発の直下に破砕帯という活断層が走っていることを経済産業省が確認した。ここで巨大地震が起き、原発そのものが地盤と共に崩落することも考えられる。「そんな事態は想像できない」と言う人もいるが、想定外のことが、東日本大震災で起きた▼「神の領域」とは、人知が及ばないという意味。「安全が確保出来るのか」「科学的な証明が必要」と、それらの条件は、神ならぬ人間の限界を超えている。「あらゆる想定に対処し、絶対安全な原発にした」と再稼働に持ってゆく論理には無理がある▼しかし「全ての原発を即時停止、廃炉」と言うのも、いかがなものか。日本の産業、経済発展、生活水準の維持にはエネルギーは絶対条件だ。日本が日本でいられるためには、今までも、これからもエネルギーの安定的な確保が不可欠なのだ▼日本は20〜30年後、出来ればそれ以内に原発をゼロにする方向に向かうべきではないだろうか。日本の科学技術力、国家間の協力で代替エネルギーを確保する。それまでは出来る限りの安全対策を施し、最小限の原発の再稼働を実施したい。資源小国・日本は、リスクを抱えながら存在している。国家はエネルギー確保に向け、長期目標を設定し、国民の理解、協力を求めるのが急務ではないか。