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社会の中でどう行動するか。最終的には自己判断に帰する。新入児童でさえ、交通事故から身を守るためには信号を見る知恵が必要で、近寄ってくる車を警戒しなければならない。一歩外に出れば、そこは危険極まりない命のやり取りの世界だ▼「未成年者飲酒禁止法」は1922年(大正11年)に制定された。4条から成り、違反すれば親権者、酒を販売した店などにも罰則規定がある。しかし、この法律は機能していないのが現実であろう。7日小樽商科大学で起きた未成年者を含む飲酒事故(9人が病院に搬送)は、法律以前の、大学生の無節操、幼児性が出たに過ぎない▼大学等での未成年者の飲酒は以前から当たり前のように行われてきた。「新入生歓迎コンパ」はその例で、飲酒を伴うが、大学側も親も暗黙の了解ごとである。厳密に言えば承知の上で法を犯す確信犯だが、社会は「良識の範囲で」と許容している▼今回の事故で大学側は謝罪しながら、今後の学内での飲酒を禁じた。しかし酒はどこにでもあり、どこでも酒盛りは出来る。大学側は謝罪する必要もないし、規制する意味もない。放っておけば良いのである。自己を律することも出来ない者に、学問を求める資格はない▼今の社会を見るがよい。現下の不況で、学費が困難で進学を断念する高校生は多い。東北では、災害で親を失った児童達が涙から立ちあがり、故郷の再生を誓っている。幸いにして進学出来た学生は、学んだ結果を日本再生に活かすのが務めではないか。自己を規制する事も出来ず、世の中を見ることも出来ない自分の姿を、恥ずべきだ。