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かつて、紋別市の「三種の神器」は、旧国鉄名寄本線、道都大学、紋別空港だった。そのうち現在残っているのは紋別空港だけだ。紋別と東京を直結する羽田−紋別ラインは、最後に残された「紋別の神器」と言える▼紋別の都市機能を維持する切り札である東京直行便を、果たして維持できるかどうか、札幌経由になるか、または最悪の場合廃止になるのか、その答えは今年度の利用状況が握っている。つまり今年度の搭乗率が、全日空が提示する60パーセントに達するかどうか│にかかっている▼市が組んだ今年度の空港予算は約7600万円。前年度より2200万円多い。主に利用促進のための増額だ。この効果が表れたのか、4月は前年度より約500人多くなり、グループ補助など新たな戦略の効果もあって、今後の集客も見込めると言う▼しかし年間60パーセントを達成するためには、単純計算で7万3千人の搭乗が必要。しかし過去の最高は52000人だった。さらに約2万人を増やすことは、現状のPR方法、補助制度だけではハードルが高すぎる▼直行便を継続出来るかどうか、今は崖っぷちと言う認識が必要。では、東京直行便の必要度を、地域発展にどう位置づけるか。最後の神器≠、何としてでも確保する強い意志を持てるかどうか、そのための思い切った財政支出を覚悟するかどうか。その選択が急務だ。当たり前の施策では大幅な搭乗率の向上にはつながらない。今後のPR効果と合わせ、乗客2万人の上乗せ策を、必死になって考え、実行する必要があるのではないか。悔いを残さないために。