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国民に消費増税を求めながら、国会議員の定数削減の論議が進まない。一票の格差が法律違反との判決が出ているのに、未だに議員の思惑が先行する。野田首相は消費税について「不退転」の意志を強調するが、言葉の割には今ひとつ、指導力が発揮されていない▼党で決めた方針に小沢氏は同意していない。自己の信念を全うするためには、必ずしも党を優先する必要はないが、その結果、党から除名されることを覚悟する必要がある。自己の信念が大切か、それを引っ込めるか、瀬戸際にある。ご都合主義の「その他大勢」の政治家が多い中、そんな頑固者が居ても良い▼こんな時、民主党の小沢一郎元党首の誕生祝いが同志≠ェ集まって開かれた。一人の政治家の誕生会を、メディアがこれ程大袈裟に扱うのも滑稽だが、小沢氏のご機嫌取りの集会にも見えた。こんなことでしか存在感を示せない議員を、国難にあるこの国が、果たして必要としているのだろうか▼いつもながらの、小沢氏取り巻き議員の光景を見るにつけ「参議院は必要ない」と思ってしまう。当選すれば6年間、何もしなくても安泰に過ごせる。政治の表舞台に出てくる議員は限られ、その他の議員は小沢氏が右を向けば右。左なら左。教祖様を奉(たてまつ)る信者のようだ▼参議院に、すでに良識の府≠フ重みはない。ねじれ国会で何も決まらず、政治が進まない現状を脱皮するためにも、衆議院のみの一院制で良いと考える。国民の一票は、さらに重い意味を持つだろうし、国政はスピーディーに動く。そこから始まれば、国民は消費増税も納得するだろう。