デスク記事
札幌の大通公園の近くに「札幌市資料館」がある。小さな森があって、都心でありながら静かな環境。市民の憩いの場になっている。木製のベンチが周囲の環境にマッチしており、しばしそこで時を過ごした。賑やかな声がして高校生と思われる3人の男子がやってきた▼ポケットから取り出したのはタバコ。みんなで喫煙し、缶ジュースを飲み出した。周囲の目を意識することもなく、自由な振る舞い。立ち去った後にはタバコの吸い殻と空き缶が転がっていた▼「やれやれ、いつもこれだ。来てくれるのはいいが、ゴミを散らかさないで欲しい。特に若い人のマナー違反が目に付きます」と、掃除をする人が言っていた。いつもの事なので、人が立ち去った後に見回りに来るのだそうだ。「汚れていては、来る人が気分を害しますから」と言う▼大通り公園に見事な薔薇(ばら)園がある。多種の薔薇が良く手入れされ、今が盛りと咲き誇っている。充分見学出来るように周回路が整備され、観光客などが香りと共に楽しんでいた▼残念な光景があった。犬を連れたご婦人が散歩を楽しんでいたが、当然のように犬は用をたす。そのご婦人は充分な清掃をせず、痕跡が化粧歩道に残っていた。見渡すと、犬を連れた人は所々に散見できた。折角の薔薇園のイメージが少し後退した▼資料館の森も、薔薇園の散歩道も、常に清潔が保たれているようだ。その陰には、マナーの改善を望む清掃の方のご努力があるに違いない。米国の公園では「痕跡を残さないように」という注意書きが目に付く。私たちも、来た跡を残さないことが肝要だ。