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紋別の、ある車のディーラーによると、車が売れるのは春だという。特に3、4月はこの傾向が出てくる。市内11余のディーラーで今年の3月は76台(軽を除く)、4月は45台、5月は51台が売れている。ちなみに昨年12月、1月は共に30台で、2月が39台になっている。ただ、車種によっては今契約しても秋の納車、登録となるものもあり、単純に数字だけでは判断できないと言う▼近年は買い替えのサイクルは長くなり、以前は3年くらいが買い替え時だったものが、今は8年くらいになっていて、5年では早い方だという。平成10年の全国対象のデータでは、10年前(平成元年)の車に乗っている人の割合は僅か18パーセントだったが、平成20年では48パーセント。つまり、それだけ長く乗っていることになる▼そのディーラーの方は「以前はスーパーカーブームなど、若者の車への憧れは強かった。今は興味の対象が多方面に広がっている」という。確かに以前、紋別でも外国車を含むスーパーカーの展示会があったし、若者はかなり無理してでも車を持ちたいと思っていた▼「20年前は、今の3倍くらい車が売れました。車検(当時は2年)の度の買い替えが当たり前の時代でした」と言う。今より決して豊かであった訳ではないが、心が上向きだったとは言えよう。先の心配をするより「今」を見つめる事の出来た時代だった。若者の嗜好が変わった事は間違いないが、今は先の心配をしなければならない時代だ。消費税も上がり年金も不確かなら、若い人に「今」に夢を費やすゆとりなど、生まれるはずがない。