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東京・代々木公園の「さよなら原発」集会に、全国から17万人(主催者発表)が集まった。これ程の大集会は、1960年代の安保闘争以来初めてのことだ。何故これ程多くの人たちが集結したのか。国民の多くが、現在から未来にかけて、各種の課題について、今までにない不安と、閉塞感を抱えているためと思われる▼世界は今、経済上も国家の安全についても、歴史的な転換期に差しかかっている。世界中で起きている様々な出来ごとは、21世紀型の「地殻変動」と言えるだろう。しかし今の日本は世界の変化について行けず、特に政治は国民の認識とかけ離れてしまった▼誰もが不安を持ち、解消への道を見出すことが出来なくなっている。元来、日本人は「今」が貧しくても「明日」への希望を目指してこれまで努力して来た。それは国・政治を信じ、そこに参加しながら歩んできたからだ▼しかし現在、国民の政治への期待は非常に低い。国民意識から離反し、それに気づかない鈍感で手前勝手な政治家。権益保持と自己中心の官僚への不信感は高まっている。そんな時起きたのが東日本大震災。国家組織への信頼が失墜し、日本人が最も敏感な「核」という課題が浮上した▼今まで物を言うことをしなかった大人しい%本人は、核のみならず、生活、失業、将来への不安など、全てについて、年代を問わず行動する必要性に迫られた。ネットの呼び掛けに即応したのは、物を言い、行動を起こすべき対象が出来たからだ。日本は、国民の我慢の限界を越える状況になっている。今後、この種のデモは頻発するのだろう。