デスク記事
受動喫煙、つまり自分はタバコを喫わなくても他からの煙を吸うことを言う。厄介(やっかい)なことに、喫煙している本人より、近くにいる人への影響が大きいらしい。これを防ぐため、平成15年に厚労省が「健康増進法」を設定。公共施設など多くの人が集まる所での喫煙を禁止した▼5日、北見市民会館で北見地区吹奏楽コンクールが開かれた。小学生の部には管内の金管バンドを持つ17校が参加し、多くの父母が客席を埋めた。設定してある喫煙所は入口周辺。出入りする度にタバコの煙幕を通らなくてはならない。▼演奏を終えた子供たちが楽器などを運ぶため出口周辺に集まっているが、そこは喫煙場所でもあり、「煙い、喉がヒリヒリする」と言う子供たちもいた。紋別でも港祭りの音楽行進の後、子供たちは市民会館で演奏会に参加したが、そこでも同じ光景が展開された。2階の出入り口は喫煙所になっているが、そこは出入口でもある。必然的に受動喫煙となる▼喫煙所を設定すればそれで良いのか。喫煙場所だから、状況判断をしなくて喫煙しても良いのか。北見と紋別で遭遇した煙幕の光景からは、法の精神が生かされていないことを感じた。子供たちが大挙して出てきたとき、あるいは演奏が終わり、観客が退場する時、当然出入口は多くの人が通る▼喫煙を少しの間控える配慮があっても良いのではないか。また管理者も、喫煙場所の設定に工夫が有っても良いのではないだろうか体裁が整っていればそれで良し≠ナは事務的すぎる。喫煙者にも「いま少しの配慮」があれば、非喫煙者にも理解されるだろう。