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日本は周辺海域に3つの難題を抱えている。北方領土、竹島、尖閣諸島問題である。近年、この日本の領土で事実上の緊急事態が発生している。2年前、メドベージェフ・ロシア大統領が国家元首として、旧ソ連時代を通じて初の北方領土訪問を果たし、先月は首相として国後島を訪問。自国の領土であることを強調した▼韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が今月10日、竹島を訪問した。未来志向を確認し合った矢先の、日韓関係の将来に大きな禍根を残す愚行であり、これで日韓関係は急速に冷え込むことになる。日本外交の甘さを言うより、韓国政府の行動こそ批判されるべきだ。オリンピックではサッカー選手が「独島(竹島)は韓国のもの」とパフォーマンスをした。近代国家・韓国の文化度の低さを露呈したものだ▼尖閣諸島の周辺海域では、中国の原潜が領海侵犯をし(平成16年)、漁船が日本の巡視船に体当たりするなどする、中国の不穏な動きが活発化している。周辺海域には中国、台湾の無数の漁船が操業している。尖閣諸島は、今のところ日本が実効支配しているが、中国の攻勢が今後活発化するだろう▼懸念されるのは、中国による突然の尖閣諸島上陸だ。その時日本はどう対応するか。引き下がれば、尖閣諸島は中国に実効支配される。そうなれば、沖縄からグアムに至る中国の第一列島線、第二列島線設定は現実味を帯びる。日本は一歩も引けないが、軍事衝突を覚悟しなければならない。日本列島の3ヵ所で、日本の主張と中、ロ、韓の3ヵ国とが、風雲急を告げる状況になっている。