デスク記事
19日、爽やかな紋別から気温35度の東京へ。羽田空港に着いた途端、ムッとする空気。空港では吹いていたかすかな風が、都心に入るとビルに遮(さえぎ)られ、無風になり、さらに暑さを増す。その中を、あふれるような人の群れは、耐えながら言葉少なに歩く▼ホテルに入るとホッとした。この日は会合のないフリータイム。しかし、あまりの暑さにホテルから出る気になれず、そのまま時間をつぶした。北極熊がアフリカに放たれたような有様だ。誰かが「東京の35度と紋別の35度はまったく違うよ。心して出張しなさい」と言ったことを思い出す▼前日、紋別港で釣りを楽しむご夫婦がいた。「多摩」ナンバーの大型キャンピング・カーで北海道を旅行しているのだという。「北海道に来て2カ月になります。釣りが好きで、港のあるマチを回っています」とのこと。自営業で、時々ご主人だけが会社に戻って、またすぐ妻の待つマチに戻ってくるのだと言う▼旅行の最大の目的は東京脱出=B「妻は身体が弱いので、夏の東京は無理。そのための北海道旅行ですよ」と笑顔を見せる。そして「お世辞を言うわけではないけれど、紋別は最高に素敵ですね。こんな空気のおいしい、爽やかな所はないです。随分以前から、紋別には来ているんですよ」と、嬉しいことを言ってくれる▼「ええ!!明日東京へ出張ですか。それはお気の毒。暑いですよ今は…ものすごく」と脅かされた。しかし彼の言ったことは本当だった。それでもすぐ帰る私はいいが、ここで過ごし、働く人たちは大変だ。心からそう思った。