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デスク記事

2012/08/30

 先日、羽田から千歳行きの全日空機に乗った。搭乗手続きの際、予定されていた搭乗ゲートが変更になり、ブリッジを使わず飛行機までバスで移動することになった。数台のバスは既に飛行機に向かったのに、私の乗ったバスはなかなか出発しない。時間が経過し、出発の時間になっていた▼そこへ空港の係員に案内され、一組の初老のご夫婦がバスに乗ってきた。バスの人たちはそうか、このご夫婦を待っていたのか≠ニバスの遅れを理解した。それで済む話だったが、そのご主人が大声で怒鳴り始めた。「何でこんなに急がせるんだ。息が止まりそうだ。オイ、どうなってんだ」と、案内してくれた女性職員に詰め寄る▼職員は「申し訳ありません。すでに出発時間になっているものですから」と丁寧に受け答えする。「搭乗口が変わったなんて、俺は知らん。早い時間からいつもの搭乗口で待っていた。放送はあったのか」とご主人。職員は「ハイ、何度も変更の放送は致しました。皆様、それに従って、ここに来たのです」と頭を下げて説明する▼「俺は聞いてない。それに急に変更するとは何事か。こんなに走ったことは今までにないぞ」と大きな声を出す。バスの中にヒンヤリした空気が流れた。そのご夫婦に視線を移す人、苦笑する人なども多かった▼「遅れてしまって済みません」のひと言くらいあれば、和やかな空気になるのに、このご夫婦は飛行機に乗ってもご機嫌斜め。最後に決定的な言葉。「これじゃあ、家に着くのが遅れるなあ。お前、電話、電話」と叫ぶ。携帯電話は使用禁止なのに…。