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デスク記事

2012/09/30

 東京・品川駅前の、名の通ったホテル。「予約されたお部屋は、隣のタワーです。そちらへ」との案内。そこへ行き、フロントの丁寧な案内を受け入室すると、やけに狭い。それに「代金は戴いて居ります」とのこと。誰も払うはずがない。合点が行かないため再びフロントへ▼すると「あっ、同姓同名の方の部屋でした。お詫びに広いお部屋を用意いたします。隣のタワーへどうぞ」。暑い日で、あっちこっち動き回りたくないし、面倒なので、そのまま狭い部屋に落ち着くことにした▼ホテル内のレストランで、夕食にウナギを注文した。時間を置いて単品が次々出てくる「コース」は苦手なので、ウエイトレスさんの承諾を得て「コースではなくウナ重だけでお願いします」と注文。すると、先ず「付け合せです」と、漬物のようなものが出てきた。次にタイの刺身。疑問も持たずハシをつけると、しばらくして「間違いました。タイではなくマグロでした」と代わりを持ってきた▼次に野菜の煮物が出てきて、さすがに「ウナギはまだですか?」と言うと「ハイ、もういいですか。お持ちします」とのこと。しばらくして別の野菜の煮物が出てきた。すでに一時間は過ぎて居る。食欲はなくなり「代金は払います。もういいです。向かいのコンビニでパンでも買いますから」▼支配人、従業員総出で「大変失礼致しました。私どもの間違いです。ウナギは食べて行って下さい。お願いです」と一列になって頭を下げられた。ウエイトレスさんは涙顔だ。仕方ない。ホロ苦い味のウナ重。とんだホテルの一日だった。