←前へ ↑一覧へ 次へ→

デスク記事

2013/01/05

 新年のスタートに、なくてはならないものがカレンダー。一年間見慣れたカレンダーを外し、新しいものに架け替えると、新鮮な気持ちになって新年を迎える心の準備が整う。「一年間」とは、漠然と思えば長いようにも思えるが、目の前のカレンダーを見ると、すぐ終わりそうな気もする。カレンダーから「だから一日一日を大切にね」と教えられる気がする▼何故カレンダーと言うのか、疑問を感じないまま人生を送ってきたが、その語源を調べると、なかなか意味が深い。古代ギリシャでは月の第一日が利息の支払い日で、専門の通知者が「きょうは利息の支払い日です」と叫んでマチを回る。ギリシャ語の「呼ばわる」という意味の「カレンズ」が、月の第一日を指すようになった▼それがローマに入った。ラテン語の「カレンダリウム」は借金台帳のこと。ローマでも月の第一日が借金の利息を支払う習慣。やがて日々の生活に関わりを持ち、時の流れに密着した日用品としてカレンダーという名がついたそうだ▼西欧社会の諺(ことわざ)に「歳月は書き物より多くを教える」「時は足早に逃げ、そして決して帰らない」などがある。東洋社会にも、私たちが良く知る「少年老いやすく学成り難し」「年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず」などの諺がある▼過ぎ去った、決して帰らない昨年を振り返ると、濃密な時間を過ごしたとは言い難い。時間が、目の前を流れていってしまった事も、多々ある。しかし、無駄と思われる時間も次へのステップと心得、今年も肩に力を入れず、カレンダーを友としたい。