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デスク記事

2013/01/08

 「ギシッ、ギシッ」と懐かしい♂ケが足元で鳴った。寒の入りの6日夜、近所の理髪店に歩いて出かけた時の、固く締まった雪の音だ。紋別でこんな音を聞いたのは随分前の事のような気がする。旭川や北見に行くと、毎年のように経験する雪道の音だが、内陸のマチより時には10度程違う紋別では、珍しいことだ▼「今年は寒いですよネ」「雪も多いし、今年は大変」とは挨拶用語にもなっている。紋別の姉妹都市・アラスカのフェアバンクス市からは「連日氷点下40度超えです。こんなに寒い日が続くのは珍しい」というメールが届いた。お隣の韓国でも、例年より寒い冬だという。東アジア、アメリカ東部、ヨーロッパなどの主要都市も寒気に包まれ、ロシアなどで死者も出ている▼気象庁は「30年に1度の異常気象」と言う。しかし人間の営みを基準にすれば異常と言えるかもしれないが、地球の息つぎ≠ナはごく普通のことかも知れない。流氷科学センターの故・青田所長は「流氷が少なくなってきたことを、地球の温暖化と決めつけてはいけない。50年、100年、さらにもっと長い年月での気象変化も、地球にとっては瞬時のこと」と言っていた▼そうは言っても、確かに今年の冬は寒さが身に沁みる。「寒の明け」は2月3日の節分だから、暦(こよみ)の上では、寒さは当分続きそう。その上雪も多い。連日の雪かきに「嫌になっちゃうねえ」の嘆き節も聞かれる。しかし紋別地域は贅沢を言っていられない。日本海側、また岩見沢、深川などは昨年に続き豪雪。早くも雪に埋もれている地域も多いのだから。