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広域紋別病院の人工透析事業が軌道に乗ってきた。現在9台の透析装置がフル活動。29人の患者に対応している。最大32人まで可能で、この体制になった最大の功労者の一人が、旭川の増田クリニック院長、増田一雄氏だ▼平成19年から24年9月まで5年以上に渡り、旭川から来紋し、広域紋別病院で透析を行い、医師への指導も行ってきた。22年4月からは、増田院長の娘婿・買手医師(増田クリニック副院長)も月2回の人工透析と、毎週火曜日の循環器内科診療を受け持って来た▼増田医師親子が、紋別地域の医療に尽くした功績は大きい。その増田氏が25日、肝臓がんのため77歳で死去した。ガンにかかっても、紋別への道のりを自分で車を運転し、通ってきた豪気な方だった。しかし紋別地域の医療の恩人の通夜、葬儀に、紋別市の理事者は一人も出席していなかった。同じく増田氏から協力を得ていた羽幌町からは町長ら理事者が出席していた。「紋別から来ていないね」とささやく声も聞こえた▼広域紋別病院からは及川院長、中川事務部長が参列したが、同病院は地方自治法に基づく「特別地方公共団体」である企業団が運営する。地方自治体である紋別市とは同格の別組織。両氏は紋別市を代表して出席した訳ではない。弔電一本のみ。紋別市の行政責任者が一人も出席しなかった事は非礼であり、感謝の気持ちは行動で示すべきだ▼新広域紋別病院は平成27年に開院の予定。紋別市は今後懸命に医師集めを行わなければならない。通夜と葬儀に出席した私は、複雑な気持ちだった。