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デスク記事

2013/02/10

 23歳の時作った「青い空」という曲。その中にこんな詩がある。「青い空、雲ひとつ、僕を見つめ、流れる」「砂浜にヤドカリ、白い砂青い海、あついかげろう」。日本のアコーステック・ギターの第一人者・吉川忠英さんは8日、紋別ロータリークラブ、紋別港ロータリークラブの合同例会で、この曲を演奏した▼65歳になった今、この曲の意味を噛みしめたいという。「昨今の世界の不穏な出来事、不安の中に居る子供たちに、平和な地球を残したい」│と。そして「旅を続け、人と出会い、それが広がって、私は育てられた。今、心から青い空を子供たちに…と思う」と語った▼故・若山徳貢さんとの縁で、吉川さんは2004年から毎年、紋別で演奏会を開いている。各種のイベントに参加し、会を盛り上げ、また小、中学校を訪問し、楽しい演奏会をプレゼントしている。8日も、上渚滑、渚滑、元紋別、小向各小学校、それに紋別高校の5校を回った。中には涙をためて、吉川さんに感謝を告げる子供も居たという▼「冬の紋別の、つるつるの道で転ばないよう、下ばかりを見ながら歩いていて、フッと見上げた空は満月。美しかった」と語る吉川さん。その時作った曲が「流氷と満月」。オホーツクの自然は、音楽家・吉川忠英さんに万華鏡と映るのかもしれない▼厳しくても透明なオホーツク。その「青い空」を世界中の子供たちに残したい│そう願う吉川さんは、音楽を通して平和への願いを伝えて行くのだろう。危険な状況に在る今の時代、何が一番大切なのか、世界は考えなくてはならない。