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東南アジア諸国で、北海道の農業生産品が高い支持を得ているという。その要因は優れた品質の上に安全、安心という信頼が加わる。東南アジアを担当している総合商社・伊藤忠の責任者の話では「品質、安全、安心という、食糧に欠かせない部分で最高の評価を得ている。今後の期待は大」という▼道産農産物が、お隣のサハリンで人気を得ている。稚内市のスーパーが昨年の夏から、州都ユジノサハリンスクに出店しているが、スイカやメロンなどは中国のものより3〜4倍高い値段がついているのに、すぐ完売してしまうという▼2年前に完成した巨大な「シティー・モール」に一昨年行ってみた。北広島の三井アウトレットパークによく似ていて、店内は明るく、軽快な音楽が流れ、着飾った人々で賑わっている。富裕層の社交の場でもあり、そこにロシア極東の雰囲気はない。道産品は、そこで販売されている▼「サハリンU」に代表される天然ガス、石油の大規模プロジェクトはサハリンの経済、市民生活を大きく変えた。富裕層が増えた半面、貧富の差が広がっている。ユジノサハリンスクの郊外に出現したシティー・モールについて聞くと「庶民とかけ離れた施設。関係ない」という答えも返ってくる▼生鮮食料品の少ないサハリンでは、富裕層にとっては、地理的に近い北海道の、しかも信頼できる農・水産製品は大歓迎だ。ただ、ロシアには様々な制度があり、市場開拓は困難な面もある。しかし今後、輸出入の壁が取り払われて行けば、北海道、オホーツクの農・水産製品は、新たな販売先を得るだろう。