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「北見工大で学んだ君たちは、大きな誇りと自信をもって、これからの人生を歩んで貰いたい。自国と日本との懸け橋に…」と、鮎田学長は卒業生を励まし、1人ひとりと握手を交わした▼4日行われた北見工業大学の「留学生交流の夕べ」に出席してきた。同大からは毎年、紋別で開かれている「北方圏国際シンポジウム」に30人前後の留学生が参加し、内外の科学者の発表を聞き、レセプションなどで市民との交流を楽しんでいる。私はシンポジウムの実行委員長として、この日の交歓会に招かれた▼今年の卒業生は11人。中国、韓国、モンゴル、フィンランドなどからで、自国に帰る人、そして日本の企業に就職する人、大学院に残り、さらに学問を続ける人など多彩だ。しかし共通しているのは「日本で学んで良かった。オホーツクは我が故郷」と思っていることだ▼学生生活で何を得たか、卒業生に聞くと「勉強は勿論、日本人社会の規律の良さ、人々のマナーの素晴らしさを、私の国も学ばなければならない。人と人のつながり、礼儀、相手を尊重する気持ちは卓越している。これが日本の底力」▼「来る前は、日本について誤った考えを持っていた。北見に4年間いて、それが間違いだと分かった。大学の先生、職員、北見の市民に温かくしていただき、しかもそれが日本人の普通の行為だということも分かった」などと答えてくれた▼同大の留学生は10年前は16人。毎年増え続け、今年で111人になった。自然豊かで、静かな環境で勉強をし、感動をもって卒業して行く。みんな、世界平和への使者になってほしい。