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デスク記事

2013/03/22

 エネルギーのほとんどを海外に依存している日本。しかし近未来に向けて明るい希望が出てきた。燃える氷=uメタンハイドレート」が日本の排他的経済水域に、少なくとも国内天然ガス消費量の100年分はあると推定されている。そして海洋開発研究機構の地球深部探査船「ちきゅう」が、海底から水を分離し、ガスだけを抽出することに成功した▼テレビの映像で、「ちきゅう」の船尾の装置から出ていた炎は、日本の技術力の高さを示していた。今後の商業化には価格の面、安定的な供給ができるのかどうか、技術的な問題など壁はあるが「数年後をメドに商業化を目指す」というから、夢実現は目の前だ▼エネルギー革命の時代と言える。アメリカでは「シェールガス・石油」の生産が急増し、エネルギー大国として復権。米国は今や世界最大のガス・石油の生産国に変わろうとしている。波紋は広がっている。天然ガス埋蔵量世界一、サウジアラビアに並ぶ石油生産を武器に、国際的な地位回復を図るロシアは大きな影響を受けている▼日本にとってのハイドレートは、それが現段階で商業化に壁があっても、自前のエネルギー資源があることは、日本にとって大きなアドバンテージだ。また、アメリカからのシェールガスの輸入に備え、東京電力は巨大なタンクの建設を始めた▼自前のエネルギーと、同盟国アメリカからの新エネルギーで、日本のエネルギー政策は大きな転換を行うかもしれない。エネルギーは国家の基本。夢が現実になりそうで、久しぶりに明るい展望が開けた。