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16世紀のフランスの哲学者デカルトは「コントロールすべき人間の中で、最も手ごわいのは貴方だ」と言った。自らの心をコントロールする難しさを説いているのだろう。それは社会の中で、現象として表れている▼冬の道。特に高速道路においては、自己の心を制御するのはなかなか難しい。「凍結につき50キロ」と制限速度が示されているのに、そこが高速道路であればお構いなし≠フ車が目につく。60キロ、70キロで走行していると、後ろに長い列ができ、追い越し車線に出ると、物凄いスピードで追い越して行く▼吹雪模様でも、その状況は変わらない。抜いた車に雪煙を浴びせながら、脱兎のごとく駆け抜けて行く。視界が悪いのに、危険を冒しながら(本人はそう思っていないのかもしれない)スピードを落とそうとはしない▼21日、北海道は吹雪に見舞われ、各所で多重事故が発生した。当別町の国道で25台、また旭川・鷹栖の高速道路で20台の車が巻き込まれる重大事故が発生した。吹雪で前が見えなくなり、また道路が滑りやすくなっているため、停車している車などに次々に衝突した▼吹雪で、前が見えにくくなっても、停車すれば追突される恐怖がある。しかし高速道路では逃げ道がない。事故を避けるには、それぞれの慎重な運転しか方法がない。今回の多重衝突の原因が、それでなければ良いのだが…▼「高速」が許される道路では、どうしても速度を上げてしまう。しかし、雪模様の日や、特に吹雪の時などは、当然、慎重な運転が求められる。自分をコントロールする自制心こそ、必要のようだ。