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デスク記事

2013/03/30

 日記、手帳、メモ帳などとは縁の遠い日々を送ってきた。それが必要な事は分かっているが、一念発起しても日記は2日と続かない。手帳を持てばどこかへ忘れてくる。従って大切なことは書けない。そんな手帳なんて、持っても意味がない。然らば、簡単なメモ帳を−と思っても、メモする気持ちになれない▼従って、会合の日、時間は忘れ、人様に迷惑をかけるし、文章のヒントになる現象、言葉なども、その時これ≠ニ思っていてもいざ≠フ時は忘れている。困ったものだと思っていた▼一昨年、名古屋の画家から「これを持ってみなさい」と1冊の本≠ェ送られてきた。新潮文庫が出している、文庫本の大きさ。表紙に「マイブック」と記されている。つまり私の本≠ニいう訳だ。目次には1月から12月まで。中身は白紙。ページの頭に月日と曜日だけついている▼本の裏に「これは2013年のあなたが作る、世界に1冊だけの本です。どう使うかはあなたの自由。オリジナルな使い方を発見するのも楽しみの1つ。他のどの本より記憶に残る、かけがえのない1冊に」とある▼使い始めて2年目。1年目のマイブックは、全ページに勝手な文章やメモ、人との会話やテレビで見つけた言葉などが、細かく書かれている。そこには、自分の歩いてきた1年間が見事に浮き出ている。過去のページをめくる事は、間違いなく面白く新鮮。振り返ることは前を見つめることと知った。かくして、今年も今までの全ページが埋まっている。そして無精者と思っていた自分が、そうでもない−とも思った(少し甘いかな)