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デスク記事

2013/04/10

 冬が厳しかっただけに、雪融けの今の時期はどこかほのぼのとした喜びを感じる。日々暖かさが増す昨今、まだ遠いけれど、桜の開花時期に心が向かうのも嬉しい。しかし、最近野生動物などの哀しい姿を見かける▼8日、紋別│丸瀬布の道道を運転していると、車にハネられたのか路上にタヌキが1匹横たわっていた。通るたびに思う事だが、この道にはよくタヌキが出てくる。ここを通る多くの人が、そう感じている事だろう。先日など、3か所で数匹が路上を行き来している光景を見た▼シカも多い。一番初めに雪が溶ける道路周辺には、草が顔を出し、それを食べにシカが集まってくる。これから先、シカは群れで集まって来るので、車を運転する人は衝突しないよう注意しなければならない。あの巨体に衝突しては、運転者に危険が及ぶ▼愛別近くの高規格道路で車が渋滞していた。野生動物ではないが、ニワトリが1羽、路上の真ん中でうずくまっていた。きっと、輸送途中の車から落ちたのだろう。身体を打っているためか、動きは鈍い。折から強い風と雪の中、その先が心配だ▼渋滞しながらも、車はゆっくりとニワトリを避け、ドライバーは心配そうに見ていた。助けようにも手立てがなく、哀れなニワトリだけが路上に取り残されて行く。願わくば、道路管理者の車両が現場を通ることを祈った▼春は野生動物にとっても嬉しい季節。命をつないできた冬から、ようやく解放されるけれど、そこには危険がいっぱい。山の雪が消えるまでは、車の運転者にとっても危険な時だ。自分を、そして動物を守ってあげよう。