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デスク記事

2013/04/18

 「札幌駅前通りの老舗書店が次々に閉鎖される」というニュースがテレビから伝えられた。以前は6店あったものが、近くほとんどが姿を消すという。原因は二つあるようだ。一つは、近年の書店の大店舗化により、小さな書店は太刀打ち出来ない事。もう一つは、駅からの地下通路が完備し、地上を歩く人は極端に少なくなったから│だという▼札幌に行くたび、または用事を足してホテルに帰る道すがら、これら書店をハシゴして、立ち読みしたり、新刊ものなどを購入したものだ。企業の味気ないオフィスビルが軒を連ねる札幌駅前通りで、老舗書店は唯一の息継ぎの場でもあった▼16日、北見の友人と、こんな会話を交わした。「札幌に限らず北見も、長い歴史を刻む、味わいある店が減り、商店街が単調になってきた」「紋別もそうだ。特徴的だったファッションの店や日常雑貨の店も、喫茶店も急に減ってきた」「以前なら多種多様な店があって、のぞいて見るのも楽しかった。マチに色彩感がなくなってきたね」▼大きな店がドーンとあるのも便利だが、小さな店が沢山あるのも楽しいものだ。商店街に厚みが増し、買い物客の足は直線的でなく、曲線的になる。従って人の流れも複雑になり、マチに活気が出る。過去の時代は、そうだった▼そう言えば、札幌など都会の百貨店も単調だ。男のひがみではないが、商品の殆どは女性のもの。以前なら男性が好む多彩な商品も多く、時間つぶしも出来た。時代の流れなのかも知れないが、商店街も百貨店も、もう少し多様性を持ってほしいもの。