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2011年12月、当時の野田総理が記者会見で、福島第一原子力発電所の事故について「冷温停止状態が達成された」として収束宣言をした。どうなることか│と国民が固唾(かたず)を飲んで事故の行方を見守っていただけに、この終息宣言に「早すぎるのでは?」と疑問を持ちながらも、一応の安堵感を得た▼それから1年4か月経った今、収束どころか、日々400トン発生する汚染水の処理は後手に回り、貯水タンクを増設するにも敷地がなく、増え続ける汚染水をどうするか、見通しは立ってない。専門家は「深刻な状態」と分析する▼折しも、アメリカのケリー国務長官が韓国、中国を訪問し、最後に日本を訪問した。一番の案件が北朝鮮のミサイル発射、核実験などの挑発に対応するものである。「北朝鮮の挑発は容認できない。日、米、韓は結束している」と発表されたが、あまりにも当たり前な内容。実際は安倍総理と秘密裏に話し合った内容こそ、対北朝鮮への実質的な対抗手段であろう。核ミサイル攻撃を宣言している北朝鮮に対しもし、その時≠ノ対する先制攻撃を話し合った事は容易に推察される▼伝統あるボストンマラソンで悲惨なテロ事件が起きた。アメリカは次のテロに備え、警戒を強めている。そのほか世界各地で紛争、テロが発生し、人類は今、緊張の中に在る。そんな中、日本の党首討論が放映された。何とも現状にそぐわない、能天気な討論内容だった。参議院選挙を意識した自己主張に明け暮れ、国際情勢に立脚した論議が成されていない。恥ずべき狭さだ。もっと今そこに在る危機に対する討論をすべきである。