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デスク記事

2008/11/13

 「文民統制」=シビリアンコントロール=とは、民主政治を維持するため、職業軍人でない文民が、軍に対して指揮権を持つこと。従って、国民を代表する国会がその権利を持ち、内閣の行政権に属する。田母神・前航空幕僚長の歴史認識についての論文は政府見解に反するもので、解任されたのは当然の措置と言える▼しかし、11日に開かれた参院外交防衛委員会での質疑は、国民の目にはお粗末と映っただろう。田母神氏の考え方を質す事より、政府の任命責任や防衛省の対応への質問が多かった。田母神氏にあまり持論を展開されては困る≠ニいう本音が、与野党共にあったようだ。それなら参考人質疑など行う必要はない▼反対に、いつの国会でも本音と建て前を使い分け、国民向けの顔をしながら、党利党略に明け暮れ、証人喚問の時でさえ偽証がまかり通る状況を見飽きている昨今、事の善し悪しは別として、自分の信念を明確に述べる田母神氏の姿勢は、うわべ重視に陥っている国会議員と対照的だ▼「退職金を返納する気はないか」の質問は、見苦しくもある。政府見解と異なった論文を書いたことで、今までの自衛隊勤務全てが否定されるべきものかどうか。それなら問う。「議員のあなた方は、今までの議員人生全てに於いて、全力で完全な道を歩んで来たと、自信をもって言い切れますか?」と。人が一番陥り易い誤りは、他を批判する時、自分が聖人君子であるが如き言動をすることだ▼焦点は何なのか≠忘れないで欲しい。憎い人物にウップンを晴らすような問いは恥じるべきだ。日本は今、決して安全ではない。国防をどうするか、自衛隊の任務は何か。国民的な理解が成されているかどうか、この機会にそんな議論が必要ではないか。