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デスク記事

2008/11/14

 解剖学者の養老孟司氏が、医学についてこんな見解を述べている。「医療は過大評価されている。私は東南アジアによく虫捕りに行くが、ああいう地域では医療の限界が良く分かる。病気には抗生物質がすぐ効くが、それは最初だけ。しばらくすると際限なく患者が出てくる」と▼また「医師・中村哲さんが水不足に悩むパキスタンやアフガニスタンで井戸掘りに力を入れていた。医療も行っていたけれど、干ばつ難民のために井戸を掘り、川を作っているうちに、医者として活動するより土建屋になった方が人々を救えることに気づいた」と述べている▼さらに、一般的に「抗生物質」という言葉を聞けば、それは効き目のある有り難い薬≠ニ思ってしまう。養老氏は、それに対しても「抗生物質は単に細胞を殺しているだけ。人間の身体に利いているーとしたら、それは副作用の成せるワザ。病気が治ると言うことは、抗生物質が治すのではなく、人間の身体自身が勝手に治すのです」と語っている▼そして「以前は成人病と呼ばれていたものが、生活習慣病と呼ばれるようになった。つまり病気は貴方の生活習慣に起因する≠ニ言うものです。しかし歳をとったら病気の3つや4つ抱えているのが当たり前。車だって中古になれば、どこか悪くなる。60歳を超えると、急速に衰える人と、そうでない人が居る。この個人差は医学ではどうしようもない。どうするかーと言えば、60を過ぎれば勝手にすれば良いのです」▼どこか乱暴な言い方に聞こえるかもしれないが、健康は医療では得られない。個人の身体そのものが基本ーと言うことには頷(うなうず)ける。養老氏は「医療に頼りすぎるな。貴方の健康は貴方の身体次第」と言いたいのではないだろうか。