デスク記事
「宮仕えの身ですから…」とは良く聞かれる言葉。「だから、あまり意見は言えません」「上司には逆らえません」と言う反応が、若手の市職員から聞かれる。課長職に居ながら「給料は市長から貰っていますから」と真面目に応えている場面もあった▼自分なりの考えがあるのに、上司からの指示をそのまま受け入れ「仕方ないさ、宮仕えだから」と、あっさり引っ込んでしまう職員も少なくない。経験豊かな先輩の意見に従うのは、多くの場合当然のことながら、自分なりの考えがある時は、それを具申する姿勢を持って欲しい。若くても、優れた提案をする事は出来る。それを許さない上司なら、その職の資格なしと考えるべき▼情けないではないか。自己の考えを引っ込めて、気が進まないやり方で公務に従事することは、結局のところ市民のためにならない。先輩も後輩も、一人一人の力量を結集することが、効果的な仕事を産み出す根源なのだ▼「市長から給料を貰っている」とは何たる錯覚。当然のことながら市職員の給料は市民が払っている。費用対効果が生じない、不真面目な職員に対しては、市民は給料を払う必要はない。給料は、市理事者が代行して渡しているに過ぎない▼「宮仕えだから…」と言う前に、「市民仕え」だと思うべき。勉強して、確たる信念を持ったなら、上司に意見を具申し、上司のやり方を修正させる位の気概を持て。「宮仕え」ならぬ「宮使え」こそ業務を活性化させ、市民のためになる。小利口に走っても先は期待薄。不器用でも、何が大切か見極め、貫徹する実力を涵養する事こそ必要。