風紋記事
7月26日、もんべつ港まつりに合わせて、艦艇広報活動のために海上自衛隊補給艦「ときわ」が紋別港に入港した。その日の朝は小雨が舞って霧に覆われ、どんよりした空が海との境目をなくして、沖合に忽然と現れた全長167メートルの「ときわ」は、まさに天空に翔ぶ「宇宙戦艦ヤマト」のようだった▼艦内では39歳の若き副艦長から「ときわ」について説明を受けた。阪神淡路大震災、テロ特措法によるインド洋上での活動のほか、先の東日本大震災での救援活動の任務に携わってきたことなどが語られた。東日本大震災から数日後、沖合に漂流する人を「ときわ」の隊員が救助する映像はテレビでも報道されていて、生と死の境に漂ううつろな瞳が今だに目に焼き付いていたものだった▼改めて国家が平和であること、地域が安寧であること、が思い起こされ、ウィキペディアで調べてみると、平和の意味の1つに「国家の抑止力が、内外の脅威を抑止している状態のこと」とあった。天災に人為の抑止はきかないし、抑止力にしても軍事的なものが必要かどうかの議論があるにしても、平和はただ天賦のものではなく、日々の活動が築き上げていくものだと思った▼もんべつ港まつりは今年で59回目を迎えた。戦前に行われていた魚霊祭から今の観光まつりに変わっていったが、海の恵みと共に発展してきたことへの謝恩の意味を込め、私たちが平安に暮らすことができ、これからも海からの恵みが享受できることを祈るまつりでもある▼一般公開にはまつり期間中の2日間で3000人を超える市民が訪れたという。まつりにふさわしいイベントとなった。(新沼)