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風紋記事

2013/09/12

 紋別小学校金管バンドが8日、北海道吹奏楽コンクールに北見地区代表として出場し、みごと金賞を獲得した。目標の東日本大会進出は果たせなかったが、全道大会での金賞は立派なもの。子どもたちを讃えたい▼実は保護者の1人として打楽器搬入の裏方を手伝った。小学生にとって打楽器は大きく重いためサポートが必須となる▼子どもたちの晴れ舞台であり、客席から応援したいのが保護者の本音。北見や紋別の市民会館のように舞台裏にいても反響板の隙間から見聴きすることができればまだ良いが、全道大会が行われるキタラでは分厚いドアが舞台の表裏を完全に分離する▼舞台裏のテレビモニターは、ステージの進行状況を確認するための小さなもの。子どもたちの表情や細かな動きが見えるわけではなく、スピーカーからのわずかな音も舞台裏の声や雑音にかき消される。それでも保護者らは、画面を食い入るように見つめ、耳でメロディを追い、最高の演奏ができるようにと祈る。曲が終わるころには、みな目にうっすらと涙を浮かべている▼ドアが開くと撤収だ。打楽器をステージからトラックヤードまで運び、待ち構えていたトラックへ急いで搬入する。設定時間は次の団体が終わるまでの数分間しかないため、トラックを少し移動してから改めて楽器をケース等に入れて積み直すという2段構えの作業になる▼結果、演奏直後の子どもたちを迎えて感動を分かち合う場面にも立ち会えなくなる。それでも「子どもたちのため」と裏方は頑張る。華やかなステージの向こうにはこんなドラマがある。(瀧澤)