風紋記事
1時間50分の空の旅。東京直行便は紋別から東京までの時間的な距離を旭川よりも近付けてくれる。初めて修学旅行で東京直行便を利用した紋別中の先生は「とにかく移動が楽だった」と道内バス旅行との違いを語った。市からの要請と助成があったとはいえ、実現させた学校に拍手を送りたい。生徒にも貴重な体験になっただろう▼私事だが過日、身内に不幸があり千葉市へ向かった。午後1時25分に離陸し、羽田からモノレールとJRを乗り継いで駅前の斎場に到着したのは午後5時。当日出発で通夜に間に合い、直行便のありがたさを実感した▼紋別地域にとって直行便は、地域住民の利便性向上だけでなく、合宿誘致や医療確保、産業交流など地域振興に欠かせない重要なインフラだ。維持するには搭乗実績が必要で、市は遠紋各町村と連携した助成制度を用意し「東京へ行くなら紋別空港から直行便で」と呼びかけている▼制度は市民対象の「航空運賃補助」と、市民および市民の3親等以内の親族が対象となる「市民旅行補助」の2つ。航空運賃補助は、運賃の実質負担額を女満別空港発着のエアドゥ道民割引料金と同額になるよう差額補てんするもの。往復分の助成額は最大約3万円と大きい。市民旅行補助は片道5000円(往復1万円)が受けられ、シニア空割や旅割55などの割引料金であれば実質片道7〜8000円で東京に行ける▼これらは市が並行して進めているツアー客誘致などが軌道に乗れば廃止されるもの。「いつか東京へ」と思うなら、助成制度があるうちに利用して搭乗実績アップにも貢献してみては。(瀧澤)