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風紋記事

2013/10/27

 旧料金の指定ごみ袋が10月1日から使用できなくなったことに伴い、市では旧ごみ袋と新ごみ袋の交換を市役所などで行っている。初日の1日、市役所ロビーには260人もの人が訪れるほどの大混雑だったが、それ以降は徐々に人数も落ち着いてきた。市民の声を聞くと「(旧袋が)無駄にならなくてよかった」など好意的な声が相次いでいる▼市では当初「10月1日以降は旧袋は使えなくなるので全部使い切ってほしい」と市民に求め、旧袋と新袋の交換は行わない考えを示していた。そのほうが面倒な交換の事務を行わないで済む、という目論見(もくろみ)があったのかもしれない。しかし今年4月に行った市民説明会で、市民から新しい袋との交換を求める声が多く出たため、市は方針を転換した▼ふつう市民説明会といえば、市側がすでに決まったことを一方的に説明し、市民から異論や反論はあっても一応聞くだけ、という結果になることが多い。「市民の声を聞いたから」というアリバイづくりのための市民説明会はよくあるパターンだ▼ところが今回は違った。市民の強い求めに市が態度を変え、それに応じた。これなら市民説明会をやった意味があった、と誰もが思うだろう▼こういう市政のありかたを今後も幅広い分野で展開してほしい。市民の声に真摯に耳を傾ける市の熱意が市民に伝われば、何かが変わるかもしれない。むろん、市民のわがままな要望には市は毅然と「出来ない」と言えばいい。市政に対する信頼が大きければ市民もそうそう無理は言わないだろう。(桑原)