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風紋記事

2014/02/05

 北海道の子どもたちの学力向上が課題となっている。小中学生を対象とする全国学力テストは全教科で全国平均以下。道教委は平均超えをめざし授業の改善や家庭学習を含めた望ましい生活習慣の定着などの取り組みを進めている▼道教委の武藤久慶学校教育次長による基礎学力問題講演会を聴いた。その趣旨は、小中学校時代の極端な基礎学力不足は高校中退や就職難、生活保護に結びつく可能性が高く、自立を確かなものとするため成績下位層を引き上げることが重要、ということだった。北海道内に残る子どもの割合は90%と非常に高いことから、地域の将来像にも直結する問題だ▼いっぽう47都道府県でトップの秋田県。上位校は他の都道府県とそれほど変わりないが、全国平均以下はわずかで、大半は平均の少し上に集中。まさに下位層を引き上げた結果といえる▼その手法は「授業に集中できる環境の整備」という。すなわち教科書などの忘れ物をせずチャイムが鳴る前に授業の準備ができ、授業中は先生の話をだまって最後まで聞く。疲れないため座る姿勢や鉛筆の持ち方を正し、空想の原因となるキャラクターグッズなどは禁止。授業の改善も大切だが、授業での聞き漏らしや理解不足がつまずきの原因となるためそれを徹底的に防止しようとするものだ▼武藤次長は語る。「机の上がぐちゃぐちゃだった学校も指導開始から半年で改善した」「キャラクター禁止などは学級単位ではなく学校全体でやることが大切」「各科目ともあと1問できれば全国平均を超える」。今後に期待できる内容だった。(瀧澤)