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デスク記事

2008/11/28

 アメリカの有力紙「シカゴ・トリビューン」の25日付けに「貴方にとって初耳の、エルビス・プレスリーに関する10の事象」という話題が掲載されている。彼はロックという新しい音楽の歴史を切り開いただけでなく、1950年代のアメリカ文化を変えた男としても知られている。42歳の若さで謎の死を遂げたが、今でも多くの人の記憶に残っている▼「エルビスは食事の時、味見もせず必ず塩を振りかけた」「死ぬ直前に食べたものは、4サジ分のアイスクリームと、6枚のチョコ・クッキー。最後に読んだ本はイエス・キリストに関する科学的分析≠ナ、それもトイレで」「ジョンレノンはエルビスの死を知らされると、激しい口調で“彼は陸軍に入隊したとき、すでに死んだも同然だった=<Wョンは反戦の急進派=と言った」「ステーキはウエルダン。ステーキでも歌でも完全燃焼するタチだったから」などなど▼当時アメリカではテレビが普及し始め、強烈なエルビスの歌は、特に若者の心をとらえた。それまでの白人歌手に比べ、圧倒的にエネルギッシュで、ラジオで聞いた人は、彼を黒人歌手と思ったという。白人青年による黒人たちの歌の模倣をする衝撃的な出来事だった▼「変化」を求めていた全米の若者の心に、エルビスは深く浸透していった。彼の出演を拒んでいた正統派のTV番組「エドサリバン・ショー」にも、遂に彼は出演し、エルビスは全米制覇を成し遂げた▼イラク、アフガン戦争に疲れ、経済も疲弊した現在のアメリカ。全米は今、間違いなく新生アメリカ≠求めている。「変革」を掲げ、大統領選に圧勝したバラク・オバマ氏。どこかエルビス・プレスリーの人気の根源と重なって映る。それは「陰」から「光」への希求であろうか。